「臂臑」

私たちが日々の臨床において、重宝に使うツボが臂臑(ヒジュ)です。このツボは、二の腕にあって、触ると、腕の骨が感じられるところにあります。なぜ、臂臑が重要かと言いますと、首から上の病にとても効くからです。つまり、眼科疾患、耳鼻咽喉科疾患、脳神経科疾患に奏功するからです。具体的に言えば、結膜炎、視神経萎縮、網膜はく離など、あるいは、声帯ポリープ、扁桃腺炎、咽頭炎など、また、頭痛、首肩の凝り、顔面麻痺、顔面神経痛の他、高血圧、五十肩、半身不随にも効果的です。

このツボの臨床研究は、中国より日本の方が盛んです。お灸の大家である深谷伊三郎先生は、学会誌に灸法による視力回復という論文を発表しました。緑内障5名、白内障7名、中心性網膜炎3名の患者に約1ヶ月間続けて灸治療したところ、緑内障3名、白内障3名、中心性網膜炎2名の視力が回復したという内容です。

 

緑内障の主婦(56歳)は、眼圧が高く、眼科医から房水を抜く手術を薦められるほどでしたが、灸治療を施したところ、約1ヶ月で眼圧が正常化して視野が広がり視力が回復したと報告しています。深谷先生は、このツボに灸をすると、眼底血管の血流を良くすると結論しています。これは、有力な抗緑内障点眼薬がない1970年代の話ですから、どれほど眼科疾患患者の福音になった事でしょうか。事実、私たちの臨床でも、眼圧低下どころか、乳頭のカップリングが改善し視野が広がるケースを多々みます。

 

更に、深谷先生の高弟である入江靖二先生は、眼科疾患の他、声帯ポリープ、咽頭炎、扁桃腺炎、高血圧症、半身不随などにも効果があると力説しています。

 

私事で恐縮ですが、この春、声がしゃがれてきたので、耳鼻咽喉科を受診すると、声帯ポリープと診断されました。おしゃべりだから罰があたったのかもしれません。ただ、手術をすると1ヶ月間はまともに声が出せません。そこで、毎日臂臑に灸をすることにしました。すると半月ぐらいで元の声に戻ってきました。身をもって臂臑の効能を感じた次第です。もう少し経過したら、また喉頭ファイバーで声帯を診てもらおうと思っています。たぶん、小さくなっていると思います。

 

ご自分で治療する場合は、マッサージでも結構です。押して痛むところを軽く揉んでください。あまり強く揉むと、神経を痛めてしまうことがあるからです。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

BoneArmFoward