昔から我ら日本人は「刺身」を好んで食します。刺身といえばマグロですが、マグロからクジラ、馬、牛など更に範囲がひろがり、カエル、ドジョウ、ライ魚、ヘビまでいたっています。かつて太平洋戦争中、日本は東南アジアに進出しました。

そこで日本人の多くがライ魚を生で食し、現地の人には稀にしかみられない病にかかりました。上海リウマチ、南京領事館病などという名前は有名ですが、ライ魚に寄生する顎口虫の幼虫が、ライ魚を通じて人体に寄生することによるものでした。領事館病、何か極めて上級な人のみがかかる特権的な病のような響きがして、かつての時代を「かいま見る」ような気がします。

この病気は、敗戦後の食糧事情の悪かった時期に流行しましたが、ライ魚を食べることが多かったことによるとのことです。食糧事情の好転とともに消失しましたが、半世紀近くたって、再び復活してきたのです。

福岡大学の研究者によると、今度はライ魚ではなく、ドジョウ、ブラックバス、ブルーギル、ヤマメ、ヘビなどの生食によるものだそうです。ルアーフィッシングの流行、グルメブーム(飽食時代の象徴?)などの結果でもあるようです。

このうち、ドジョウについては上記福岡大の先生によれば、検出される寄生虫は、剛棘顎口虫というもので、日本には存在しない種のことです。日本の自然界には、有棘顎口虫(イヌ、ネコ)、ドロレス顎口虫(イノシシ、ブタ)、日本顎口虫(イタチ)の3種だそうです。

従って上記のドジョウは、輸入されたものであることがわかったそうです。ドジョウはかつて田んぼでよくとれましたが、農薬が田んぼにまかれるようになって、いつの間にかいなくなりました。眼前のドジョウは、ブルーギル、ブラックバスとともに外来魚ということになったわけです。日本産との見分け方は、寄生虫を調べて剛棘顎口虫と出れば確定、なんてことになりそうです。

今はライ魚から寄生虫は、なくなっているそうですが、かわって淡水魚からの顎口虫感染が増してきているとのこと。ブルーギル、ブラックバス、ヤマメ、ドジョウ、ヘビなど生食習慣のある日本人にとって注意が必要と警告しています。

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