脳梗塞や脳出血の基礎知識

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脳梗塞や脳出血の基礎知識

2016年度の日本人の死因のトップはガンで、2番目が心疾患、3番目が肺炎、4番目が脳梗塞や脳出血などの脳卒中との報告があります。この中で特に注目されるのは、心疾患の殆どが虚血性心疾患ということと、脳卒中の約6割を脳梗塞が占めているということです。
どちらも血管が詰まることで発生する病気です。多くは血栓と呼ばれる血の塊が動脈の内腔を塞ぐことで、栄養や酸素を送れなくなり、心筋なり脳組織なりが壊死を起こし、ときに死に至らしめる病気です。

脳出血は脳血管が破れ、そこから出血することで十分な血液を脳組織に送れなくなり、脳梗塞と同じく脳細胞を壊死させてしまう疾患です。また、出血した血液が周りの脳組織を圧迫するので、出血が大量あるいは生命維持に深く関わる間脳や延髄などで発生すると命の危険があります。その他、脳出血が脳の外側を覆っているクモ膜で起こるのをクモ膜下出血と呼んでいます。初めての発症でも半数が死亡してしまうとも言われています。多くの場合出血量が多く、その血液が広範囲に脳組織を圧迫してしまうからです。
いずれにしろ脳卒中は病院での救命処置が必要です。脳梗塞ならば血栓溶解剤、脳出血ならば止血剤の投与となります。また、脳出血が広範囲に及んだり大切な脳野を損傷している場合は、その血液を管で排出させたり手術で取り除いたりすることもあります。

脳梗塞や脳出血の原因

脳卒中は大別すると、脳梗塞と脳出血になります。更に脳出血は通常の脳出血とくも膜下出血に別けられます。
脳梗塞の原因として筆頭に挙げられえるのはアテローム変性と呼ばれる動脈硬化です。動脈硬化が進行すると、動脈の内腔がコレステロールなどの蓄積により狭まることで、血液が通りにくくなります。そこに血の塊である血栓が詰まったり、その血栓が剥がれて先の細い血管を詰まらせたりして、脳組織に栄養や酸素を運べなくなります。すると、脳組織が壊死を起こし、脳の機能が低下します。壊死の程度により予後は様々ですが、生命に関わる脳組織にダメージが加わると死亡するケースもあります。動脈硬化を助長する因子としては、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などがありますが、喫煙や飲酒、肥満、ストレス、運動不足、片寄った食生活などが遠因となります。ここに生活習慣病と言われる所以があります。

但し、全く動脈硬化が確認されない若年層にも脳梗塞が発症することがあります。運動や高温による発汗で血液の流動性が失われドロドロしてくると、それが脳血管に血栓を作ることがあります。また、狭心症や心肥大、弁膜症などの心疾患による心房細動により固まりやすくなった血液が脳血管に運ばれることで脳梗塞が起こることもあります。更に原因不明の心房細動も知られています。全く心臓に病気がなくても発生するとなると、脳梗塞は老若男女に関わらず発生の危険があるのです。

脳出血の原因の多くは高血圧症ですが、動脈の壁の脆弱も危険因子になっています。動脈硬化は血管の内腔を狭めるだけではありません。動脈は内側から順に内膜、中膜、外膜で構成されていますが、アテロームは中膜や外膜まで浸潤し、脆い血管にしてしまいます。そうなると、何かの刺激で動脈の壁が破れ、血液が外に溢れ出し、その先の脳組織に栄養や酸素が届けられなくなってしまいます。多くは高い血圧が加わることで発症しますが、安静時でも起こることがありますので、動脈硬化との因果関係が強いのは確かです。高血圧症の危険因子は塩分の摂り過ぎや喫煙、肥満、脂質異常症などがあります。

ところが、たまに高血圧症や動脈硬化がなくても脳出血が起こることがあります。この場合は先天的な脳動脈の異常が考えられます。奇形や血管腫、動脈瘤などがあると動脈の壁が弱くなり、脳出血の危険性が高まります。くも膜下出血の多くは動脈瘤によるもので、早期に瘤をクリップで挟み血液の流入を防ぐことで、発作を抑え込んでいます。

脳梗塞や脳出血の後遺症

脳梗塞と脳出血は恐ろしい病気ですが、医師の賢明な救急救命処置により一命を取り留めるケースが増えています。救急医療の進歩と言えます。ところが、この病気の厄介なところは、後遺症が残ることです。
脳梗塞でも脳出血でも、多くの場合手足や顔に運動麻痺や感覚麻痺が発生します。その他にも嚥下障害や視野が半分になってしまう半盲、頭痛、めまい、身体動揺感、認知症、うつなど様々な後遺症があらわれます。中には視床痛と呼ばれる激しい痛みを伴う頭痛もあります。

脳梗塞や脳出血の後遺症対策

リハビリが最優先される対策法です。運動障害でも構音障害や失語症と呼ばれる言語障害でも嚥下障害でも、専門医のプログラムを理学療法士や作業療法士、言語療法士などが実地することにより機能回復を期します。ところが、6カ月というリハビリ期間で十分な改善がみられないことがあります。特に運動麻痺の場合、痙縮や固縮を起こしていることが多く、この障害が回復を長引かせている原因です。発症後数週間経過すると、筋肉が異常興奮して固く締まってきます。本来ならば痙縮や固縮がみられない時期にリハビリを行うべきですが、安静にして再発作を未然に防ぐということが日本の治療指針になっています。諸外国ではCI療法と呼ばれる早期のリハビリを行うことで機能回復を目指しています。早期に少しでも手足を動かすことができれば、病院を退院するころには完全回復も夢ではありません。
その助けとなるのが鍼灸治療です。世界保健機構(WHO)では脳梗塞や脳出血の後遺症の対策として鍼灸治療を認めています。

世界保健機構(WHO)が認める鍼灸の適応症>>

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