おすすめの予防法1 鍼灸

当院が推薦する脳梗塞や脳出血の予防法 鍼灸

鍼灸は痛みや筋肉の凝りを改善させるだけではありません。鍼灸師が大切にしている鍼灸資生経という鍼灸の古典医術書には三里と絶骨というツボに灸し、葱などを食すと脳卒中のリスクを軽減させたり再発予防に役立つと記されています。

実際、自律神経系やホルモン系に作用して、身体の恒常性維持を促進させる作用もあります。これは脳梗塞や脳出血の最大の発症原因である高血圧症や糖尿病の改善や、ストレスの緩和に役立つことを示しています。これは脳梗塞や脳出血の予防や再発予防にも効果があることを意味しています。

交感神経系が優位になると、末梢の血管が収縮します。同時に運動神経系も興奮しますので、筋肉も収縮して、血管を圧迫することで、血行が悪化するとともに血圧も上昇します。鍼灸治療は交感神経の興奮を弱め、筋の過緊張を緩め、血管も拡張させますので、血流改善から血圧の安定化が望めます。当然、自律神経が支配する胃、腸、膀胱、腎臓、子宮などの内臓にも影響を与え、正常な状態へと導きます。また、鍼灸の刺激は自律神経系の中枢がある視床に届き、交感神経と副交感神経の機能を調整します。それどころか視床下部にある下垂体にも影響を与え、成長ホルモンやプロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、抗利尿ホルモンの分泌を調整します。これらの刺激ホルモンを副腎皮質や甲状腺、乳腺、卵巣や精巣などが受けて、ホルモン系による恒常性維持を果しています。このホルモン系の乱れによる血圧上昇やストレス疾患の増悪も知られています。

その効果については世界保健機関(WHO)で、さまざまな有益な作用や対象となる疾患や症状に対する有効性を認めています。日本では鍼灸の養成校や鍼灸師界、一部の大学などの研究機関、個々の篤志が鍼灸の作用の科学的解明や啓蒙運動を行っていますが、多くの人に認知されているとは言えません。厚労省もWHOと比べると遥かに扱いが低く、世界と大きな隔たりがあります。こと、脳卒中に関しては、少なくとも鍼灸治療が脳梗塞や脳出血の後遺症の改善に有効だとか、発症予防や再発予防に役立つと表明してもらいたいところです。

世界保健機構(WHO)が認める鍼灸の適応症>>

では、その効果についてもう少し掘り下げてみます。まずは血圧についてですが、三里というツボに鍼治療をすると、胃腸が動きだしことが知られています。これは副交感神経を優位にすることを示しています。自律神経のうちでも副交感神経は身体をリラックス状態に導き、血管を広げ血流を改善する作用があると言われています。つまり、ストレスを解消するとともに血圧を下げることが期待できます。ツボの運用による高血圧症予防ができるということです。

また、最近の研究で、皮膚に鍼を刺すと、その刺激は脊髄を介して脳に向かう一方、末梢に逆戻りすることが明らかになっています。これを軸索反射と呼びます。
その際、末梢の神経や血管からサブスタンPと呼ばれる神経伝達物質が分泌されます。このサブスタンPは血管を拡張し血流を改善する作用があります。更に カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)と呼ばれる神経伝達物質の分泌も誘発されます。CGRPは血管の筋肉に作用して持続性の血管拡張と血圧低下をもたらします。これら一連の反応は使うツボの如何に関わらず起こります。

更に鍼灸の刺激は脳に達し、セロトニンやドーパミンなどの気持ちを明るくしやる気を起こさせる脳内伝達物質の分泌を高めます。また、視床下部などから内因性のオピオイド物質であるβエンドルフィンやエンケファリンや、オキシトシンなどの分泌も促進させます。オピオイド物質は生体が作りだすモルヒネ様物質の総称です。当然、これらは幸福感を与える作用があります。特にオキシトシンは、副腎皮質からのコルチゾールの分泌を抑制し、交感神経の緊張を緩和します。また、セロトニンは副腎髄質から分泌されるアドレナリンやノルアドレナリンを抑制します。アドレナリンやノルアドレナリンはストレスに立ち向かうときには必要不可欠な物質ですが、過剰に血液中に流れ出すと、動悸、頻脈、不安、振え、血圧上昇などの不快な症状があらわれます。 また、コルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンは血糖値上昇にも関与しているので、この作用は糖尿病の抑制にもつながります。

また、鍼灸による脳内のアセチルコリン分泌亢進が明らかになっています。アセチルコリンも神経伝達物質で、主に副交感神経系を賦活し、血管を拡張したり筋肉を収縮させたりと、様々な生体反応に関わっています。この作用機序ですが、脳内コリン作動性血管拡張系を活性化することが動物実験により確かめられました。脳内のアセチルコリン濃度を高め、その受容体の働きも活発化するということなので、脳血管を拡張して血流を増加させることを示唆しています。薬剤では動物との代謝系の違いがありますが、鍼灸の刺激は殆ど作用機序が同じなので、人でもあてはまるデータと言えます。

最近、この脳内コリン作動性血管拡張系の活性化により脳梗塞や脳出血による 脳虚血の予後を良好にすることが明らかになっています。つまり、脳細胞は虚血に弱いので、血流の確保が予後を決定するのです。また、脳内コリン作動性血管拡張系の活性化は脳虚血のあとの血液の再灌流時に発生する活性酸素による細胞死も軽減させることが示唆されています。虚血による脳細胞の死に関して神経栄養因子が抑制に働きかけることが知られていますが、鍼灸の刺激は神経栄養因子であるグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)や線維芽細胞成長因子 (bFGF)を有為的に発現させます。更に回復に向けての神経新生も鍼灸治療が促進させるとの報告もあります。これらのデータは、鍼灸治療が脳梗塞や脳出血の脳細胞に与えるダメージを軽減させるとともに回復にも大きく寄与するということを示しています。

近年、日本の研究機関、病院などの臨床機関から鍼灸が高血圧の治療として有望との報告が多数なされています。アメリカのカリフォルニア大学の研究では、鍼治療は高血圧に効果があり、脳卒中や心臓病のリスクを下げることが示唆されました。被験者の70%が顕著な血圧低下を示したそうです。したがって、鍼灸は脳梗塞や脳出血の予防や再発予防に貢献するものと自信を持ってお勧めできます。

その他の予防法はこちらを参考にしてください。

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