脳梗塞や脳出血の予防

目次

脳梗塞や脳出血の予防(再発予防含む)

脳梗塞

脳梗塞が多発する年齢は60歳以降になります。これは、血管の老化が最大の原因となるからです。つまり、動脈硬化が起こり始める年齢にあたるからです。動脈硬化はアテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)、細動脈硬化、中膜石灰化硬化に別けられます。細動脈硬化は末梢の動脈の硬化で、強い血圧があかることが多いので、脳出血の原因にもなり得ます。中膜石灰化硬化は、動脈の中膜にコレステロールの沈殿が起こり、動脈を固く柔軟性のないものに変えてしまいます。急激な血圧上昇などがもとで破裂してしまうことがありますので、油断できません。
というわけで、脳梗塞の原因で一番問題視されるのがアテローム性動脈硬化です。また、心原性脳塞栓が原因となることもあります。心臓の冠状動脈の動脈硬化もさることながら、痙攣による不整脈により血栓を起こしやすくなった血液が脳に運ばれ、脳動脈を詰まらせるということも多々あります。特に若い人の脳梗塞に多くみられる現象です。したがって、アテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)、中膜石灰化硬化、細動脈硬化の発生を抑える、あるいは悪化させないようにすることや、不整脈を起こさないようにすることが脳梗塞の予防に繋がるのです。

アテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)の予防

アテローム性動脈硬化は大動脈や脳動脈、冠状動脈などの太い動脈に起こる動脈硬化です。動脈の内膜に脂肪、コレステロール、血小板、白血球、カルシウムなどから成り立つドロドロの堆積物が溜まり、内腔を狭めた状態を指します。当然血流状態が悪化します。
そのメカニズムですが、動脈は内側から順に内膜、中膜、外膜で構成されています。内膜には内皮細胞という一層の細胞が血管を拡張させたり血栓を防いだりして動脈硬化を起こさないように守っています。ところが、この内皮細胞が傷つくと、血液中のLDLコレステロールが内膜の隙間に入り込み、その傷をふさごうとしますが、活性酸素により酸化されるとその物自体が細胞を傷つける元になってしまいます。そこで白血球が酸化したLDLコレステロールを取り込んで排除しようとしますが、一部は死んでしまいます。この結果、内膜には酸化LDLコレステロールや白血球の死骸が溜まり、内膜の機能を失わせるばかりか、お粥のような沈殿物を作ってしまいます。そればかりか内皮細胞にキズもできるので、それを塞ごうとして止血作用のある血小板のかけらも付着するようになります。そこに次から次に同じような現象が起こり、やがて大きな隆起となっていきます。この状態をアテローム性動脈硬化、あるいはプラークと呼びます。脳動脈の内腔を塞げば、当然脳梗塞が発生しますが、そのかけらが剥がれ、更に奥の血管を詰まらせることもあります。

そこで、アテローム性動脈硬化の予防ですが、近年日本脳卒中学会が、このアテロー性動脈硬化が発生しやすい条件をガイドラインとして発表しました。高血圧や糖尿病、脂質異常症といった病気があったり、喫煙や深酒、運動の過不足、ストレスといった悪い生活習慣をおくっている人ほど罹患するリスクが高くなるとのことです。高血圧症は内皮細胞に強い圧力をかけますし、糖尿病は高い血糖が糖化現象による内皮細胞を変性させてしまいます。脂質異常症は増えた脂肪が酸化されやすくなりますので、当然のことでしょう。喫煙や深酒は内皮細胞やLDLコレステロールを酸化させる因子になりますし、運動の過不足やストレスは酸化を抑制する酵素の機能や分泌を低下させてしまいます。更に過労や睡眠不足、食生活においても抗酸化作用のある野菜や果物が不足すれば、アテローム性動脈硬化の発生を助長させてしまいます。頚部のエコー検査やCT・MRI検査でもリスク判断がつきますので、動脈硬化が認められたら積極的に脳梗塞の予防に努めるべきです。
その予防ですが、一般的には下記の通りとなります。

1.高血圧や糖尿病、脂質異常症、メタボなどの疾患があったら、 先ずは治療が必要です。 2.タバコは吸わない、アルコールも適度におさえなければなりません。 3.適度な運動とストレス解消に努めなければなりません。 4.過労や睡眠不足に気を付け、栄養やビタミンミネラルの過不足に気を付け なければなりません。 5.ビタミンEやC、ポリフェノールなどの抗酸化物質や、EPA・DHAなどの血液サラサラ成分の補給も役立つでしょう。

細動脈硬化の予防

細動脈硬化は直径1.5cm未満の細い動脈の硬化で、血管の壁が堅く変化して 内腔を狭めてしまいます。その結果、血圧が上昇しやすくなるとともに脆くなった血管の壁から微小の出血を起こすことがあります。また、血流が悪くなるとラグナ梗塞を起こす原因になります。ラクナ梗塞は無症状のこともありますが、複数の個所で起こると運動や感覚の麻痺や、言語障害といった脳梗塞の症状をあらわすこともあります。更に認知症の発生につながることもあります。脳血管性認知症と呼ばれます。日本人に多い痴呆症と言えます。発症原因としては筆頭に挙げられるのは糖尿病や高血圧症、脂質異常症ですので、予防としてはアテローム性動脈硬化の予防と同じような生活習慣を心がけるべきです。眼底検査で細動脈症の程度が分かりますので、検診も勧められます。

中膜石灰化硬化の予防

メンケベルグ型動脈硬化とも呼ばれます。動脈の中膜に石灰化が起こり、柔軟性を失わせてしまいます。アテローム性動脈硬化のように内腔が狭まることはないので、脳梗塞の原因にはなりにくいと言えますが、急激な血圧上昇などで破裂してしまうことがありますので、油断できません。血圧の管理が必要です。

脳出血

脳出血は脳動脈の壁から血液がもれる病気です。大脳や中脳、小脳、視床などで起こる場合を脳内出血、脳を覆うくも膜下で発生すると、くも膜下出血と区別して呼ぶこともあります。また、脳内出血のうちでも、視床で起こる場合を視床出血と特別に呼ぶこともあります。
いずれにしろ、急激な血圧上昇が主たる原因とされています。通常は300mmHg~400mmHgぐらいの血圧にも耐えられるのですが、それ以上に上昇することもあります。そのとき動脈硬化があったら、いとも簡単に破れてしまいます。最近話題になっているヒートアイアランド現象はもっとも血圧の急上昇の原因となります。血管を縮める交感神経が急激に優位になるからです。特に冬場の入浴時に多発しますので、温度差が大きくならないように脱衣所と浴室の温度コントロールが肝心です。また、外出するときは首のマフラーをするなどして、保温に努めるべきです。また、心配事やイライラすることが多いと、絶えず交感神経の緊張が高まっているので、脳出血の引き金になります。ストレスをため込まないようにするとともに精神的に強くなって、気持ちを穏かにすると良いでしょう。高血圧症の方は主治医の指示に従い、つねに正常値におさめておかなければなりません。

くも膜は脳を覆う膜のひとつで、くも膜と脳の間を走行している動脈からの出血をくも膜下出血と呼びます。その出血が脳を圧迫したり、満たしている脳脊髄液に混ざることで強烈な頭痛や吐き気を起こします。出血量が多いと脳を圧迫し、脳組織を壊死させてしまいます。また、脳組織に栄養や酸素を与えている血管が痙攣を起こし、極端に血流が阻害されることで続発的に脳梗塞を発症することもあります。出血した血液が脳脊髄液を増加させると、水頭症の症状をあらわしてしまいます。とても死亡率の高く、およそ発症者の3割が致死的な結果に至ると言われています。

若いひとに多いことや、脳動脈瘤破裂が主たる原因になっていることが特徴です。動脈瘤は遺伝が関与しているケースが多いので、家族親戚に脳動脈瘤が発見された人がいたら、進んでCTやMRIの検査を受けて、脳動脈瘤の早期発見に努めるべきです。破裂する可能性があったら、クリップ手術を施すことで予防ができます。また、激しい興奮や運動で、急激な血圧上昇を起こしたりすると、脳動脈瘤破裂につながります。予防は一般的な脳出血と同じで、特に高血圧症が危険因子です。

その他、血管そのものが問題となるケースがあります。血中のリン脂質やコレステロールなどが細胞を形成しています。勿論、内皮細胞も同じです。また、動脈はコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質が重要な構成要素となっています。リン脂質は、これらのタンパク質を結び付ける役割もあります。したがって、血中のリン脂質やコレステロール、タンパク質などが不足するとことでも、動脈の壁が弱くなります。動脈硬化があれば、更に壁がもろくなっています。これはコレステロールが動脈硬化の原因になる一方、動脈を強固にする要素になるということです。

コレステロールにはLDLコレステロールとHDLコレステロールがあり、LDLコレステロールが異常に増えたり、HDLコレステロールが異常に減ることが問題なのです。LDLコレステロールは末端の組織に運ばれ細胞の形付ける成分になったり、ホルモンや胆汁酸などの材料になりますので、欠かすことのできない血中脂質なのですが、過剰に動脈に存在すれば内皮細胞の隙間に取り込まれる可能性が高くなりますし、酸化反応も進みます。したがって、あくまでも適正な血中脂質量にとどめなければなりません。因みにHDLコレステロールは余分なLDLコレステロールを肝臓に届け、肝臓に貯えたり胆汁にして排出したりしています。ですからHDLコレステロールを善玉と呼ぶようになりました。このように、血中の脂質は多くても少なすぎても脳出血のリスクが高まるのです。このことから、適度な脂肪や良質なたんぱく質の摂取も脳出血の予防に必要なことが判ります。特にリン脂質を合成する不飽和脂肪酸は大切な栄養になります。
したがって、一般的な脳出血の予防をまとめると、高血圧や動脈硬化の悪化をことに主眼が向きます。特に脳卒中の既往がある場合は、医師による血圧や血流状態の徹底した管理が必要です。基本的な脳出血の予防法は下記の通りです。

基本的な脳梗塞や脳出血の予防法

1.温度差やストレスなどに注意する。

交感神経の興奮による血管収縮が危惧される。特に冬場の入浴をヒートショックの原因になるので、脱衣場と浴室が同じ温度になるように努める。また、ストレスを溜めないようにするため、個々に合うストレス解消法を行う。

2.積極的に体を動かす。

運動は血流を良好にし、新陳代謝を高める。
体調の応じ、1日5000~10000歩の歩行が勧められる。

3.BMI22ぐらいの体重を維持する。

BMIは(体重kg)÷(身長m)2で導かれる。BMIが22前後だと成人病にかかりにくいとされている。

4.便秘をしないように努める。

便秘は血流状態を悪化させる原因のひとつ。排便の際、息張ることがで血圧の急上昇が危惧される。野菜などの繊維分の多い食事内容にする。

5.食事の最初に野菜をしっかりとる。

野菜はカロリーが少なく、空腹感をまぎらすので、過食を防ぐことが期待される。また、便秘を防いだり、ポリフェノールに富むものが多いので、抗酸化効果も期待できる。

6.食事は炭水化物や脂肪、タンパク質のバランスに気を付ける。

ビタミンやミネラルの過不足がないような食事内容にする。特に脂肪の摂り過ぎに注意すること。

7.十分な睡眠をとる。

睡眠は疲労回復に役立つ他、睡眠中に成長ホルモンなどの修復因子が分泌される。また自律神経が調整され、自律神経障害やストレス障害を軽減させる。

8.禁煙の勧め。

喫煙は血管を収縮させ、血圧を上げる原因になる。また、動脈硬化を助長する因子になる。

9.アルコールは適量を守る。

アルコールの飲み過ぎは肝臓を悪くするだけではなく、ツマミがカロリーオーバーにつながる。
また、飲み過ぎは覚めた時に血管を収縮させ血圧を上げる可能性がある。適量だったら、逆に血管を広げることができる。

10.就寝前の水分の補給

食事における脳梗塞や脳出血の予防法

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