りゅうえい治療院 スタップブログのページ

脳梗塞や脳出血の後遺症などの臨床報告 健康に役立つ食事療法などを掲載 健康に役立つツボ療法や食事療法、脳梗塞や脳出血の後遺症をはじめ、様々な疾患の臨床報告を掲載しています。該当する病気の方は勿論のこと、健康志向の方にとって参考になれば幸甚です

Category: りゅうえい健康通信ー食養生 (page 1 of 5)

りゅうえい健康通信―食養生 「有色野菜」

「活性酸素の害を防ぐ赤、黄、緑の野菜―有色野菜の質は変わりつつある」

紫外線にさらされて働く農業・漁業の人々の中に皮膚の衰えの早い人が多いと言われています。紫外線によって活性酸素という非常に酸化力の強い酸素が作られ、これが皮膚の細胞を傷付ける為と説明されています。ここから「活性酸素にさらされると老化が早い」と言われだしたのでしょうか。

「活性酸素は生き物の寿命を縮めるか」ということを線虫で調べた結果が発表されました。線虫は土の中に住む1mm位の生き物です。この線虫の遺伝情報は解読が終わっていて、その成果は遺伝の研究に利用されています。

線虫に突然変異(=突然にその遺伝情報に変化が起きること)をおこし、活性酸素の働きを受けやすいものと受けにくいものを作り、活性酸素と寿命の関係を調べたのでした。活性酸素の働きを受けやすいものは短命、受けにくいものは長命であったというのがその結果です。このことは活性酸素の働きを受けにくい(或いは受けやすい)遺伝情報があることを示します。線虫という固体レベルで、活性酸素が寿命に影響することを証明したわけです。ヒトにもこのような、遺伝情報がある可能性は十分だそうです。

さて、遺伝的に活性酸素に強いか弱いかは別に、活性酸素の働きを防ぐ物質を蓄えている生き物がいます。植物です。植物の葉には葉緑体があり“水―炭酸ガスー太陽の光”から炭水化物(デンプン)を作ります。太陽の紫外線を浴びているのになぜ傷付けられないのでしょうか。葉に含まれるビタミンEが防御の働きをするからです。紫外線で活性酸素が発生すると直ちにビタミンEがこれを消去するというわけです。ビタミンEは油脂類の酸化防止にも用いられています。ヒトで大量のビタミンEの服用による心臓の血管系の病気予防に効果があったとの報告があります。ビタミンEの酸化を防ぐ働きによるものと推定されています。

活性酸素の害を防ぐものは、ビタミンE、ビタミンCの他にリコピン(トマト)、カロチン類(ニンジン、ハプリカ)などいろいろなものがわかってきました。赤、黄、緑と色のある野菜はこうしたものを含む代表的なものです。こうした野菜(=植物)は自己の生命活動を維持する為、活性酸素消去物質を作り出したのでした。ヒトはそれを食して今度は自分の為の活性酸素消去物質として活用してきたのです。

野菜には「旬」があります。旬は野菜と季節(或いはもっと広く環境)とが最もうまく組み合わさった時に成り立ちます。現今、野菜に旬がなくなりました。“最も美味なる時”がないのです。ハウスもの、低温貯蔵もの、遺伝子組替えものなどの技術改新により、新しいタイプ(?)の野菜が生まれています。生物の世界は“食物連鎖の世界”です。一つの生き物の変化は、これを食するものの変化をもたらします。

私達は“新しいタイプ”の野菜を食し始めています。活性酸素の害を防ぐという現点から、このことはどんな結果を生じてくるのでしょうか。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

 

りゅうえい健康通信―食養生 「葉酸」

「葉酸」

米国では脳卒中や、心臓の血管系の病気が多いことはよく知られています。食習慣が大いに関係しています。最近、葉酸を多く含む食物が脳や心臓の血管障害リスクを下げるという調査報告が米国からありました。

米国では従来より1日当り400μg(マイクログラム)の葉酸をとることが推奨されていますが、調査結果では次のことが述べられています。「1日当り300μg以上の葉酸をとる人は136μg未満の人に比べて、脳卒中で20%、心臓血管の病気で13%、これらの病気にかかる危険度が低い。」

葉酸は柑橘類、穀物、インゲン、トマト、ホウレン草、レタス等緑黄野菜に含まれています。葉酸はホモシスティンというアミノ酸の代謝をおしすすめます。ホモシスティンは動脈硬化を起こす危険因子です。従って、葉酸はホモシスティンの代謝をよくすることで血管に良い影響を与えるのです。

さて、この調査は20年かけて行われました。テーマは「食事中の葉酸摂取量と脳・心臓血管系疾患との関係」となります。27~74才の米国男女約9,800名、調査開始時で脳・心臓血管系の病気のない人が対照です。調査する項目には、糖尿病歴、収縮期血圧、コレステロール値(血中)、BMI(ボディー・マス・インデックス=肥満度)、娯楽目的の身体活動度、教育の程度、喫煙等も上がっています。こうした多数の調査項目の中から、脳・心臓血管疾患は葉酸の摂取量が増すほど、その発症の危険度が低くなるという関係がでてきたのです。

この調査からは葉酸の適当な摂取量は明示されていませんが、300~400μgの葉酸(1日当り)をとるようにとのコメントがありました。尚、米国心臓協会の1日当りの葉酸摂取量は、成人400μg、妊婦600μgです。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

りゅうえい健康通信―食養生 「菜食は細胞の寿命をのばす」

顔を鏡に映して見る――皮膚がたるみ全体にしまりがなくなっている。老化したとわかる。が、「生きものが老化した」とわかる最も本質的な現象はというと、それは生殖能力の消失であるようです。「腎陽・腎陰の虚」という表現によって生殖能力の衰え及びこれに関連する現象をとらえる医学体系もあります。ヒトは無数の細胞から構成される多細胞生物ですから個全体が老化する時はこれを構成する細胞も老化していないわけはなかろうと推察できます。細胞は細胞分裂という現象をくりかえして増殖し次世代の細胞を生んでいきます。この細胞分裂は何回(=何世代)かくりかえされるとそれから先は分裂しなくなります。この細胞分裂をおこさなくなることを「細胞の老化」としています。

 

細胞分裂は何故おこらなくなるのか。細胞には核という遺伝情報(DNA)が集合している構造物があります。細胞が分裂する時期に入ってくると、核は形を変え複数の棒状の染色体という構造物になります。この染色体がついに2つに分裂し、2つの次世代の染色体となり核を形成し、次世代の細胞に分かれます。この棒状の染色体の先端には特別の配列をとるDNAがあり、テロメアと名づけられています。テロメアは細胞分裂がおこる度毎に少しずつ短くなり、この短縮分の修復がおこれば細胞分裂は続くのですが修復がおこらないと、あるところまでで細胞の分裂はおこらなくなります。テロメアの長さの短縮分をもとの長さにもどす働きをする酵素(テロメアーゼ)がありますが、この酵素は幹細胞、生殖細胞、免疫系の細胞、ガン細胞などでは活性が高いのですが私達の身体を構成する大部分の細胞ではその活性がないのです。―――従って時間の経過とともに、老化した顔が生じてくることになるのです。

 

体内でおこる酸化や炎症はテロメア長の短縮を促進したり、テロメアーゼの活動を抑制しますので、この状況をおこす肥満、インスリン抵抗性、メタボリック・シンドローム、慢性的な情緒上のストレスはテロメア長短縮の促進につながります。メタボリック・シンドローム(肥満、インスリン抵抗性が含まれる)、情緒ストレスをもたらす主な原因は私達の生活スタイルにあります。赤身の肉、加工肉、甘味のおかし類、フレンチフライ、精製穀粒などの食材或は食品、運動不足、慢性的な精神心理的ストレス―――これらは現今の私達の生活スタイルです。となると、この逆の生活スタイルが必要ということです。―――野菜食、全粒穀物、マメ類、魚、脂肪は全カロリーの10%、魚油(3g/1日)、ビタミンE(100国際単位/1日)、ビタミンC(2g/1日)、食物繊維、亜鉛、葉酸、セレニウム(200マイクログラム/1日)

 

筋肉を動かす運動(エアロビック運動);1日30分歩行週に6日

 

ヨガ、瞑想、呼吸法、ストレッチ、リラクゼイション;1日60分週に6日

 

これはなかなかに持続しにくい。ですが、これをみると従来いくつかの疫学調査で報告されてきた、病気にかかりにくくし天寿をまっとうする生活スタイルと一致するものです。健康で寿命をのばすと指摘されていた生活スタイルは細胞レベルでも同様に寿命をのばしていたのです。

 

文献

 

LANCET ONCOJOGY  Vol.9,November 2008,1048‐1057

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

りゅうえい健康通信―食養生 「ドライアイとω-3リノレン酸」

「ドライアイとω-3リノレン酸」

ドライアイ(目の乾燥)で悩まされる人はけっこう多いのです。対応策はヒアルロン酸という物質の入った点眼液などですが有効というわけにはいきません。冬の乾燥期、夏でも空調のきいた室内などでは困ります。

 

これを防ぐ方法について米国での調査がありました。マグロを週に5回以上食する人と週1回の人の比較で、週5回以上のグループの方がドライアイになる危険性(あるいは可能性)が68%少ないという報告です。では、マグロの何がこうした結果をもたらせたのでしょう。

 

油脂類の中に脂肪酸と名づけられている類のものがあります。構造は炭素(原子)が隣同志一列に並んだ構造(骨格)を持ちます。炭素の数は、16個とか18個とか20、22個などです。炭素間は結合手で結ばれていて、おおかたは一本ですが、手が二本のこともあります。一本は一重結合、二本は二重結合といい、二重結合の場合、ここには水素(原子)が入れる余地があるため不飽和の結合とよんでいます。(これに対して一本は飽和結合といいます)。

 

この不飽和のものには当然、両端があります。夫々の端には一端にカルボキシル基、他端にメチル基と名づけられている構造物が結合しています。ここで、メチル基も(カルボキシル基も)一ケの炭素をもっていますので、メチル基の炭素を1番として順次並んでいる炭素に番号をつけることができます。

 

このメチル基の炭素はω(オメガ)炭素という名がつけられています。時々、油の製品ラベルにω-6とかω-3とかという文字をみることがあります。これは、ω炭素から数えて6番目の炭素と7番目の炭素の間が二重結合であるという意味です。同様にω-3はω炭素から3番目と4番目の炭素間が二重結合ということになります。 さて、米国人はω-6(系列)の油をω-3(系列)の油の15倍摂取しているそうで、その結果、ドライアイのリスクが2.5倍上がるのだそうです。となるとω-3の油を多くとれば、ドライアイが防げるということになり、ω-3はマグロとかクルミなどに多く、サラダ油や動物の油には少ないそうで、これが、上述のマグロを多く食する人にドライアイが少ないという結果をよんでいるという結論に至るのです。

 

ところで、ひところ、エゴマの油がやせるということでブームになりました。紫蘇の油もそうですが、この油50%ほどがω-3リノレン酸で占められています。役に立つと予想しています。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

りゅうえい健康通信―食養生 「骨粗鬆症を予防する野菜食」

“食”と病気の関連について、南カリフォルニアはセブン-デイズ-アドベンティストを対象とする疫学調査、この結果をうけての日本での同様な疫学調査は黄緑野菜がガン、動脈硬化、高血圧、心臓病などの病気を予防することを示しました。現今、私達は、動脈硬化と骨粗鬆症の時代に在る、といわれていますが、その骨粗鬆症にも野菜食は予防或は改善に役立つことが報告されています。

骨粗鬆症は骨が弱くなる病気です。弱くなる原因は通常いわれている骨のカルシウム含量が少なくなることだけでなく、骨でつくられるコラーゲンの性状にも大きく関係するといわれています。骨粗鬆症により脊柱の一部がつぶれれば背骨が曲ります、太もものつけ根の骨が折れれば、(手術で機能回復ができるとはいえ、やはり)運動機能がおちます。こうしたことは以後の身体全体の機能に影響を与え、動脈硬化と共に、諸病の源となっていきます。

注目の論文は、食事内客調査と骨密度を調べ、野菜・果物の摂取が多いと骨密度が高いことを示しました(何故そうなるかは不明です)。この調査では、菜食主義でなくとも、とにかく野菜果物を多くとると骨密度が高いという結果になっています。この論文と上記二つ論文から、「黄緑野菜を中心とする菜食は、動脈硬化と骨粗鬆症を同時に予防する」ということになります。

動脈硬化と骨粗鬆症、一見関係なさそうですが、その成り立ちに共通の因子があることがわかってきました。動脈硬化の発症にはサイトカイン(免疫系細胞から分泌される物質)が関与しますが、このサイトカインが骨では骨の吸収(骨がこわされること、通常古くなったものがこわされます、そして新しい骨が補充されます→骨の新生)に関与します。また、ホモシステインという物質の量が高く、ビタミンB6の量が低い状況では血管に動脈硬化がおこります。この状況は骨において、骨芽細胞(骨新生時活動します)が生産するコラーゲンに変質をもたらします。このことは、サイトカインによる骨の吸収とあわさって骨粗鬆をもたらします。

さらに、動脈硬化をおこした血管で、血管壁をつくる平滑筋細胞が骨芽細胞にかわり、これが骨組織をつくりカルシウムをくみこんでいく現象があります(血管壁の石灰化)。血管壁で骨がつくられているのです。これは以前はカルシウムが単に血管壁に沈着すると見られていました。更に、骨粗鬆症で一年当りの骨密度の低下がひどい人ほど、血管の石灰化の進行がつよいという話もあります。

このように、血管と骨には、そのおこる病態にかなり共通のメカニズムがあります。黄緑野菜を中心とする菜食がこの共通のメカニズムに介入するとすれば、動脈硬化と骨粗鬆症は必然的に同時に予防するということがおこります。

理論はともかくとして、事実は「菜食は骨粗鬆症と動脈硬化を予防しています」。大いに食すべしです。

引用論文:Am.J.Clin.Nutr 2006;83:1254-5   Am.J.Clin.Nutr 2006;83:1420-80

文献:CLINICIAN vol.53 no.554 CLINICIAN vol.54 no.560

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

りゅうえい健康通信―食養生 「味感覚、本物の味、そしてビタミンの潜在的不足」

ス-パ-に並ぶ野菜はみてくれは良いが味はおちる。これは殆ど例外はない。味がおちるということは質がおちているということのあらわれ、野菜で最も注目されるビタミンの量もおちているのではという順序となる。これは野菜の潜在的ビタミン不足という状態で、従ってこれを食する人間も潜在的ビタミン不足ということになる。潜在的にという理由はビタミン不足の症状が外観からは伺い知れないからである。

腎臓が働かなくなった時、人工透析器を用いて体内の不要なものを外に出す透析療法なるものが行われる。この透析器は、不必要なものだけを外に出すというほどの技術的進歩が未だなく、まだ必要なものまで出てしまう。その代表が水にとける性質をもつビタミン類、C,B1,B2,B6,B12などなどである。それでなくても透析をうける人は食餌上の制約が多くビタミン類が不足がち、これに透析でビタミン類が出ていってしまうことが加わるのでビタミンの「出」と「入」のバランスがとりにくくなる。ここに潜在的ビタミン不足が生じてくるのだ。

透析を受けている人の中に肝機能検査のGOT,GPTの数値がいつも10より低い人をみうける。高すぎても困るが、低すぎても肝機能が低下しているのだ。B6不足の疑いがかかる。B6を内服して数値が10を超えて増加してくれば、B6が「やはり不足していたのだと」となる。又、肝臓は栄養物質をいろいろと加工して送り出す工場である。A物質(ホモシステイン)をB物質(メチオニン)に加工する作業も行っている。この時B6がないとAからB6に加工できず、別の工程で次々と作られ送り込まれてくるAはBに加工されずそのまま送らされてしまう。この結果、血液中のAの濃さは通常よりも高くなる。高ホモシステイン症という状態である。これは動脈硬化を促進する。当面、当の本人は何の異常も感じないがやがて動脈硬化の進行とともに異常を感じ出すという具合である。原料の入りが十分でもビタミン不足があればものの流れは滞る。時間が経つにつれてその影響が表面化する。

食品分析表なるものが売られている。例えば、トマト、それに含まれるタンパク質、脂肪、ビタミン類などなどの数値が示されている。だがそこには分析したトマトがどんなものか、色、形、生育した環境など一切記載はない。ということは、自分が今、食しているトマトが分析表に示されたトマトと同じ質(内容)のものであるという保障はないのである。ところが食する自分は今、食しているトマトには「これだけのもの」が当然含まれているものと思って食している。だが、食品分析表のものとは異なり大いに質の落ちる場合もある。この時、「これは本物のトマトではない」と判断するのが自分の味感覚である。どこか味の違うトマトは何かが違っているのである。食品分析にかけてみて、結果が分析表と同じであってもである。そして、このトマトを長期間食したその生き物に、どんな結果を生じさせるかは誰も知らないのである。

食物の本物の味を食品分析だけであらわせるわけではない。分析表のみをたよりとして味感覚を用いなくなった昨今である。食物分析表通りの栄養素が含まれている保障もない。ビタミンの潜在的不足が広がり出している。

味覚不足は亜鉛欠乏時でも生ずる。インスタント食品の普及とともに日本人の亜鉛摂取量の低下が懸念されている。ビタミン、ミネラルが必要十分に取れているか各自の食生活を再点検してみてはどうか。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

りゅうえい健康通信―食養生  「プロバイオテクス-体によい影響をあたえる微生物及び、その微生物を用いた食品」

”プロバイオテクス”なる語をしばしば目にするようになりました。体に良い影響を与える微生物及び、その微生物を用いた食品の意味だそうです。ヨーグルトはその代表ということで、ヨーグルトメーカーはこの語をキーワードとして病気予防に役立つ「機能性食品」を開発する方針です。この戦略は日本国の医療費節減の方針と合致するため、大いに期待をかけている分野のようです。

さて、微生物を生活に役立てることは、従来の日本では当たり前のことであったようです。かつて農業は「土づくり」を重んじました。自然が与えてくれたままの土地は、長く作物をつくり続けられないことを知っていたからでした。堆肥を土に施し、土を育てました。その堆肥は実は微生物の力によって、作物が吸収できる栄養分となっていたのです。その土には微生物の他にも、いろいろな土に生きる「生きもの」が集まり生活していました。肥えた土は、こうした「生きもの」達の合作でした。

こうした活動は木々の繁る森や山にも見ることができました。山で生じた栄養物は、川の流れに乗り海に出て、プランクトンの栄養源となり漁業を育みました。漁師は「海を守るには、山を守る」ということを知っていました。「はだかの山からは魚がとれない」のです。山々には魚がいないから当たり前?-そういう意味ではないのです。しかし、敗戦後、状況は一変しました。食料の増産を必要とする時代が来ました。アメリカ型の大量生産農業は、大量の化学肥料と大量の農薬を土に施しました。そして、土は死にました。土に生きる生きものが死んだからでした。土の再生が起こらなくなりました。農業の行き詰まりが始まったのです。現在、ヨーロッパでは、アメリカ型の農業から自然の力を利用する農業に変わりつつあるそうです。土に生きる生きものと、共存することの必要性が再認識されだしたのです。

ここで、人間はどのような具合か見てみましょう。私達の体で微生物と共存している部分は大腸です。大腸で生きる微生物は、食物の残渣を分解・代謝し、自己の増殖をはかります。代謝産物のうち、ビタミン類などの良き物は私達の体を支えます。悪いものが生じれば、体を衰えさせます。腸内微生物集団のあり方が体に支える影響は、「便秘」の影響を観察するとわかります。便秘の結果、悪玉菌の活動が高まると、皮膚には「吹き出物」が出て、「つや」がなくなってきます。悪玉菌の代謝産物が全身にまわるからです。ここで腸をきれいにしてみると、皮膚の状態が良くなってくるのがわかります。また、何かの都合で抗生物質を長期間飲み、腸の微生物集団が衰えると腸が不調となります。良い微生物集団を育てることが体にとって必要なのです。土と同じと言えます。私達も微生物と共に生きているのです。

各ヨーグルトメーカーは、今やプロバイオテクスという新しいネーミングの下に色々な機能性をうたう商品を開発する戦略です。新しいタイプの乳酸菌の開発はその現われです。さて、日本には、堆肥と同様、古くからのプロバイオテクスがあります。納豆、なれずし、くさや、みそ、しょうゆなどの発酵食品です。(そう、お酒も忘れてはいけませんね。)「なれずし」は東南アジア各地にみられる、民族の知恵として、伝えられてきている食品です。プロバイオテクスといわなくても従来、私達の身の回りには存在しているのです。

私達は「くさい!」と言って遠ざけるのではなく、こうした食品に再注目して、腸内微生物集団の改善育成をはかる方針をとってはいかがと提案する次第です。昔の土と同じように生き生きとした腸を育てるためです。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

 

 

りゅうえい健康通信―食養生 「梅肉エキスに動脈硬化を防ぐ働きがあるそうです」

昔からのなじみの梅肉エキスについて、日米の研究者から発表がありました。梅肉エキスは、よく下痢した時などオブラートにつつんだものをよく飲まされました。発表内容は次のようなものです。

先ず、予備知識を申しあげます。血圧をあげる生体内物質にアンギオテンシンⅡ(Ⅱ:ローマ数字の2)というものがあります。これアンギオテンシンⅡが結びつく場所(=受容体)に結びつくと血管が縮まり血圧が上がるという働きを示します。アンギオテンシンⅡ(AⅡ)は血圧を上げるだけでなく、血管や心臓の筋肉を増やし、動脈硬化や心臓の肥大をおこすこともわかってきました。

さて、次のような研究結果です。血管の筋肉をまず、梅肉エキスにさらし、次にAⅡにさらす。すると、AⅡにのみさらされた時に生産される血管筋肉がふえるのに必要なタンパク質が生産されない。梅肉エキスには、ムメフラール(最近とみに有名になってきました)が含まれています。ムメフラールに上記のAⅡの作用を阻害する働きがあるか否かも調べられましたが、その作用はないという結果です。

従って、梅肉エキスのこの働きはムメフラール以外の物質による(正体はまだ不明)という結論です。梅肉エキスには、血液サラサラ効果、酸化作用を防ぐ効果があることが知られています。上記の報告は、動脈硬化や心臓が肥大するものを防ぐ効果もあるということになります。

昔の人達は、梅肉エキスなるものをどのようにして考え出してきたのかおどろきです。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

 

りゅうえい健康通信―食養生 「日本食(アジア食)に関心を」

以前から、どんな物を日常食べるかによって、病気にかかる率に差が生じてくることがいわれてきました。前立腺癌にかかる率は中国人が1.8%なのに比べて、アメリカ人では53.4%である。

ところが前立腺癌にかかる率の低いアジア系の人がアメリカに移住すると、そのかかる率が高くなってくるのです。こうした現象のおこる原因は、食事内容の違いにあるのではという報告がオーストラリアでなされました。

ムラサキツメクサの抽出物を用いて、前立腺癌の患者の癌細胞に対する影響を調べたのです。この植物の抽出物を食したグループと、食さなかったグループについて、前立腺癌の手術後の癌組織を比較しました。

すると抽出物を食べたグループでは、癌細胞の25%にアポトーシスがおきていました。他方食さなかったグループでは1.5%だったのです。アポトーシスとは、細胞の自己死(自殺)と称されている現象で、例えば、受精卵から1つの個体が完成していく際、必要な細胞が残り、不必要な細胞が消えていく時などにみられる極めて重要な現象です。ここでは、そのアポトーシスがムラサキツメクサの抽出物によっておきたのです。癌細胞全体にアポトーシスがおこれば癌は治るということになります。

さて、ここから、アジア人の方がアメリカ人より、なぜ前立腺癌にかかる率が低いのかということになるのですが…。ムラサキツメクサの抽出物にはバイオチヤニン、ダイゼン、フォルムオノネチン、ゲニステインのイソフラボン類が含まれているそうで、こうしたイソフラボン類がアジアの食事には普通に含まれている。

他方、アメリカで普及している大豆イソフラボンにはこれら4種が全て含まれているわけではない。即ち、イソフラボン類の質の差(これは、食事の違いから来ていることになるのです)。この違いが前立腺癌にかかる率の差となってあらわれているのではないかと説明しています。

敗戦後、このかた日本の食事内容(食習慣も含めて)は大幅に変わり、欧米化しました。これにつれておこってくる病気の種類も変化し、和食の効用、即ち伝統食の再評価がおきました。ですが、伝統食への認識はまだ不十分のようです(もっとも、現時点ではまず食材に存在する残留農薬などの方が問題なのかもしれませんが)。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

 

 

りゅうえい健康通信―食養生 グルコサミン

「グルコサミン」

グルコサミンを含む健康食品の効果について色々な評価がされていますが、臨床的、基礎的な議論が必要との立場からの研究会が発足し、その報告がされました。筆者も以前から関心を持っていたのですが、その発表から偏見を持っていたと認識を新たにしました。ここに主なところをまとまてレポートします。

 

基礎的調査はウサギ、モルモット、ラット、ヒトの関節の細胞を用いてグルコサミンを主として行われています。グルコサミンは損傷した軟骨の修復を促進しますが、これはグルクロン酸や、N-アセチルグルコサミンでも認められています。グルコース(ブドウ糖)ではおきません。

 

自然発生型変形性関節症(モルモット)でグルコサミン、コンドロイチン硫酸の12ヶ月齢までの期間投与ではレントゲン画像上、骨の変化は防げていないのですが、組織を顕微鏡でみると組織変化(進行度)には抑制効果が認められています。

 

ラット関節炎でのグルコサミンは関節炎症状、炎症関連物質の生産は抑えられており、また組織像でも関節軟骨が保持されています。体重の回復もあります。ラット1型糖尿病モデルの皮膚劣化については、グルコサミンは真皮層が厚く可溶化できるコラーゲンの量が減少、コラーゲンの線維が太くかつ均質化しているのが認められています。

 

臨床的調査では変形性関節症で安静時痛、運動時痛を抑える効果があり特に早期の例で効果がよく、血中の炎症物質も低くなっていることが認められています。人で、アデノシン2リン酸(ADP)刺激による血小板凝集を抑えることも認められています。その他いささか学問的になりますが、(以下読むのを省略されて構いません)

 

グルコサミンは、

アデノシン3リン酸の放出・・・阻害

血小板第4因子の放出・・・阻害

トロンボキサン合成・・・阻害

血小板内の①カルシウム動員、②環状アデノシン1リン酸の低下、③シグナル伝達物質Sykのリン酸化・・・阻害

アデノシン2リン酸のアデノシン受容体への結合・・・阻害

などがあり、血小板の凝集することを妨げるので血管内で血栓ができるのを防ぐ作用があると報告しています。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

Older posts