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脳梗塞や脳出血の後遺症などの臨床報告 健康に役立つ食事療法などを掲載 健康に役立つツボ療法や食事療法、脳梗塞や脳出血の後遺症をはじめ、様々な疾患の臨床報告を掲載しています。該当する病気の方は勿論のこと、健康志向の方にとって参考になれば幸甚です

Month: 11月 2018

りゅうえい健康通信―食養生 「ドライアイとω-3リノレン酸」

「ドライアイとω-3リノレン酸」

ドライアイ(目の乾燥)で悩まされる人はけっこう多いのです。対応策はヒアルロン酸という物質の入った点眼液などですが有効というわけにはいきません。冬の乾燥期、夏でも空調のきいた室内などでは困ります。

 

これを防ぐ方法について米国での調査がありました。マグロを週に5回以上食する人と週1回の人の比較で、週5回以上のグループの方がドライアイになる危険性(あるいは可能性)が68%少ないという報告です。では、マグロの何がこうした結果をもたらせたのでしょう。

 

油脂類の中に脂肪酸と名づけられている類のものがあります。構造は炭素(原子)が隣同志一列に並んだ構造(骨格)を持ちます。炭素の数は、16個とか18個とか20、22個などです。炭素間は結合手で結ばれていて、おおかたは一本ですが、手が二本のこともあります。一本は一重結合、二本は二重結合といい、二重結合の場合、ここには水素(原子)が入れる余地があるため不飽和の結合とよんでいます。(これに対して一本は飽和結合といいます)。

 

この不飽和のものには当然、両端があります。夫々の端には一端にカルボキシル基、他端にメチル基と名づけられている構造物が結合しています。ここで、メチル基も(カルボキシル基も)一ケの炭素をもっていますので、メチル基の炭素を1番として順次並んでいる炭素に番号をつけることができます。

 

このメチル基の炭素はω(オメガ)炭素という名がつけられています。時々、油の製品ラベルにω-6とかω-3とかという文字をみることがあります。これは、ω炭素から数えて6番目の炭素と7番目の炭素の間が二重結合であるという意味です。同様にω-3はω炭素から3番目と4番目の炭素間が二重結合ということになります。 さて、米国人はω-6(系列)の油をω-3(系列)の油の15倍摂取しているそうで、その結果、ドライアイのリスクが2.5倍上がるのだそうです。となるとω-3の油を多くとれば、ドライアイが防げるということになり、ω-3はマグロとかクルミなどに多く、サラダ油や動物の油には少ないそうで、これが、上述のマグロを多く食する人にドライアイが少ないという結果をよんでいるという結論に至るのです。

 

ところで、ひところ、エゴマの油がやせるということでブームになりました。紫蘇の油もそうですが、この油50%ほどがω-3リノレン酸で占められています。役に立つと予想しています。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

年末年始休業のお知らせ

こんにちは。

11月の中旬になり、朝晩の寒さが強まってきているように感じます。しっかりと防寒対策をしておかないと体調を崩してしまいそうです。そうならないように、気を引き締めいきたいと思います。

さて、誠に勝手ながら当院は、下記の通り年末年始のお休みを頂戴いたします。

 12月30日(日)~1月6日(日)

尚、1月7日(月)から平常通り診療致します。

どうぞよろしくお願い致します。

りゅうえい健康通信―食養生 「骨粗鬆症を予防する野菜食」

“食”と病気の関連について、南カリフォルニアはセブン-デイズ-アドベンティストを対象とする疫学調査、この結果をうけての日本での同様な疫学調査は黄緑野菜がガン、動脈硬化、高血圧、心臓病などの病気を予防することを示しました。現今、私達は、動脈硬化と骨粗鬆症の時代に在る、といわれていますが、その骨粗鬆症にも野菜食は予防或は改善に役立つことが報告されています。

骨粗鬆症は骨が弱くなる病気です。弱くなる原因は通常いわれている骨のカルシウム含量が少なくなることだけでなく、骨でつくられるコラーゲンの性状にも大きく関係するといわれています。骨粗鬆症により脊柱の一部がつぶれれば背骨が曲ります、太もものつけ根の骨が折れれば、(手術で機能回復ができるとはいえ、やはり)運動機能がおちます。こうしたことは以後の身体全体の機能に影響を与え、動脈硬化と共に、諸病の源となっていきます。

注目の論文は、食事内客調査と骨密度を調べ、野菜・果物の摂取が多いと骨密度が高いことを示しました(何故そうなるかは不明です)。この調査では、菜食主義でなくとも、とにかく野菜果物を多くとると骨密度が高いという結果になっています。この論文と上記二つ論文から、「黄緑野菜を中心とする菜食は、動脈硬化と骨粗鬆症を同時に予防する」ということになります。

動脈硬化と骨粗鬆症、一見関係なさそうですが、その成り立ちに共通の因子があることがわかってきました。動脈硬化の発症にはサイトカイン(免疫系細胞から分泌される物質)が関与しますが、このサイトカインが骨では骨の吸収(骨がこわされること、通常古くなったものがこわされます、そして新しい骨が補充されます→骨の新生)に関与します。また、ホモシステインという物質の量が高く、ビタミンB6の量が低い状況では血管に動脈硬化がおこります。この状況は骨において、骨芽細胞(骨新生時活動します)が生産するコラーゲンに変質をもたらします。このことは、サイトカインによる骨の吸収とあわさって骨粗鬆をもたらします。

さらに、動脈硬化をおこした血管で、血管壁をつくる平滑筋細胞が骨芽細胞にかわり、これが骨組織をつくりカルシウムをくみこんでいく現象があります(血管壁の石灰化)。血管壁で骨がつくられているのです。これは以前はカルシウムが単に血管壁に沈着すると見られていました。更に、骨粗鬆症で一年当りの骨密度の低下がひどい人ほど、血管の石灰化の進行がつよいという話もあります。

このように、血管と骨には、そのおこる病態にかなり共通のメカニズムがあります。黄緑野菜を中心とする菜食がこの共通のメカニズムに介入するとすれば、動脈硬化と骨粗鬆症は必然的に同時に予防するということがおこります。

理論はともかくとして、事実は「菜食は骨粗鬆症と動脈硬化を予防しています」。大いに食すべしです。

引用論文:Am.J.Clin.Nutr 2006;83:1254-5   Am.J.Clin.Nutr 2006;83:1420-80

文献:CLINICIAN vol.53 no.554 CLINICIAN vol.54 no.560

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

りゅうえい健康通信―食養生 「味感覚、本物の味、そしてビタミンの潜在的不足」

ス-パ-に並ぶ野菜はみてくれは良いが味はおちる。これは殆ど例外はない。味がおちるということは質がおちているということのあらわれ、野菜で最も注目されるビタミンの量もおちているのではという順序となる。これは野菜の潜在的ビタミン不足という状態で、従ってこれを食する人間も潜在的ビタミン不足ということになる。潜在的にという理由はビタミン不足の症状が外観からは伺い知れないからである。

腎臓が働かなくなった時、人工透析器を用いて体内の不要なものを外に出す透析療法なるものが行われる。この透析器は、不必要なものだけを外に出すというほどの技術的進歩が未だなく、まだ必要なものまで出てしまう。その代表が水にとける性質をもつビタミン類、C,B1,B2,B6,B12などなどである。それでなくても透析をうける人は食餌上の制約が多くビタミン類が不足がち、これに透析でビタミン類が出ていってしまうことが加わるのでビタミンの「出」と「入」のバランスがとりにくくなる。ここに潜在的ビタミン不足が生じてくるのだ。

透析を受けている人の中に肝機能検査のGOT,GPTの数値がいつも10より低い人をみうける。高すぎても困るが、低すぎても肝機能が低下しているのだ。B6不足の疑いがかかる。B6を内服して数値が10を超えて増加してくれば、B6が「やはり不足していたのだと」となる。又、肝臓は栄養物質をいろいろと加工して送り出す工場である。A物質(ホモシステイン)をB物質(メチオニン)に加工する作業も行っている。この時B6がないとAからB6に加工できず、別の工程で次々と作られ送り込まれてくるAはBに加工されずそのまま送らされてしまう。この結果、血液中のAの濃さは通常よりも高くなる。高ホモシステイン症という状態である。これは動脈硬化を促進する。当面、当の本人は何の異常も感じないがやがて動脈硬化の進行とともに異常を感じ出すという具合である。原料の入りが十分でもビタミン不足があればものの流れは滞る。時間が経つにつれてその影響が表面化する。

食品分析表なるものが売られている。例えば、トマト、それに含まれるタンパク質、脂肪、ビタミン類などなどの数値が示されている。だがそこには分析したトマトがどんなものか、色、形、生育した環境など一切記載はない。ということは、自分が今、食しているトマトが分析表に示されたトマトと同じ質(内容)のものであるという保障はないのである。ところが食する自分は今、食しているトマトには「これだけのもの」が当然含まれているものと思って食している。だが、食品分析表のものとは異なり大いに質の落ちる場合もある。この時、「これは本物のトマトではない」と判断するのが自分の味感覚である。どこか味の違うトマトは何かが違っているのである。食品分析にかけてみて、結果が分析表と同じであってもである。そして、このトマトを長期間食したその生き物に、どんな結果を生じさせるかは誰も知らないのである。

食物の本物の味を食品分析だけであらわせるわけではない。分析表のみをたよりとして味感覚を用いなくなった昨今である。食物分析表通りの栄養素が含まれている保障もない。ビタミンの潜在的不足が広がり出している。

味覚不足は亜鉛欠乏時でも生ずる。インスタント食品の普及とともに日本人の亜鉛摂取量の低下が懸念されている。ビタミン、ミネラルが必要十分に取れているか各自の食生活を再点検してみてはどうか。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。