「活性酸素の害を防ぐ赤、黄、緑の野菜―有色野菜の質は変わりつつある」

紫外線にさらされて働く農業・漁業の人々の中に皮膚の衰えの早い人が多いと言われています。紫外線によって活性酸素という非常に酸化力の強い酸素が作られ、これが皮膚の細胞を傷付ける為と説明されています。ここから「活性酸素にさらされると老化が早い」と言われだしたのでしょうか。

「活性酸素は生き物の寿命を縮めるか」ということを線虫で調べた結果が発表されました。線虫は土の中に住む1mm位の生き物です。この線虫の遺伝情報は解読が終わっていて、その成果は遺伝の研究に利用されています。

線虫に突然変異(=突然にその遺伝情報に変化が起きること)をおこし、活性酸素の働きを受けやすいものと受けにくいものを作り、活性酸素と寿命の関係を調べたのでした。活性酸素の働きを受けやすいものは短命、受けにくいものは長命であったというのがその結果です。このことは活性酸素の働きを受けにくい(或いは受けやすい)遺伝情報があることを示します。線虫という固体レベルで、活性酸素が寿命に影響することを証明したわけです。ヒトにもこのような、遺伝情報がある可能性は十分だそうです。

さて、遺伝的に活性酸素に強いか弱いかは別に、活性酸素の働きを防ぐ物質を蓄えている生き物がいます。植物です。植物の葉には葉緑体があり“水―炭酸ガスー太陽の光”から炭水化物(デンプン)を作ります。太陽の紫外線を浴びているのになぜ傷付けられないのでしょうか。葉に含まれるビタミンEが防御の働きをするからです。紫外線で活性酸素が発生すると直ちにビタミンEがこれを消去するというわけです。ビタミンEは油脂類の酸化防止にも用いられています。ヒトで大量のビタミンEの服用による心臓の血管系の病気予防に効果があったとの報告があります。ビタミンEの酸化を防ぐ働きによるものと推定されています。

活性酸素の害を防ぐものは、ビタミンE、ビタミンCの他にリコピン(トマト)、カロチン類(ニンジン、ハプリカ)などいろいろなものがわかってきました。赤、黄、緑と色のある野菜はこうしたものを含む代表的なものです。こうした野菜(=植物)は自己の生命活動を維持する為、活性酸素消去物質を作り出したのでした。ヒトはそれを食して今度は自分の為の活性酸素消去物質として活用してきたのです。

野菜には「旬」があります。旬は野菜と季節(或いはもっと広く環境)とが最もうまく組み合わさった時に成り立ちます。現今、野菜に旬がなくなりました。“最も美味なる時”がないのです。ハウスもの、低温貯蔵もの、遺伝子組替えものなどの技術改新により、新しいタイプ(?)の野菜が生まれています。生物の世界は“食物連鎖の世界”です。一つの生き物の変化は、これを食するものの変化をもたらします。

私達は“新しいタイプ”の野菜を食し始めています。活性酸素の害を防ぐという現点から、このことはどんな結果を生じてくるのでしょうか。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。