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りゅうえい健康通信―食養生 「腸の健康とプロバイオテクス」

「プロバイオテクス-体によい影響をあたえる微生物及び、その微生物を用いた食品」

”プロバイオテクス”なる語をしばしば目にするようになりました。体に良い影響を与える微生物及び、その微生物を用いた食品の意味だそうです。ヨーグルトはその代表ということで、ヨーグルトメーカーはこの語をキーワードとして病気予防に役立つ「機能性食品」を開発する方針です。この戦略は日本国の医療費節減の方針と合致するため、大いに期待をかけている分野のようです。

さて、微生物を生活に役立てることは、従来の日本では当たり前のことであったようです。かつて農業は「土づくり」を重んじました。自然が与えてくれたままの土地は、長く作物をつくり続けられないことを知っていたからでした。堆肥を土に施し、土を育てました。その堆肥は実は微生物の力によって、作物が吸収できる栄養分となっていたのです。その土には微生物の他にも、いろいろな土に生きる「生きもの」が集まり生活していました。肥えた土は、こうした「生きもの」達の合作でした。

こうした活動は木々の繁る森や山にも見ることができました。山で生じた栄養物は、川の流れに乗り海に出て、プランクトンの栄養源となり漁業を育みました。漁師は「海を守るには、山を守る」ということを知っていました。「はだかの山からは魚がとれない」のです。山々には魚がいないから当たり前?-そういう意味ではないのです。しかし、敗戦後、状況は一変しました。食料の増産を必要とする時代が来ました。アメリカ型の大量生産農業は、大量の化学肥料と大量の農薬を土に施しました。そして、土は死にました。土に生きる生きものが死んだからでした。土の再生が起こらなくなりました。農業の行き詰まりが始まったのです。現在、ヨーロッパでは、アメリカ型の農業から自然の力を利用する農業に変わりつつあるそうです。土に生きる生きものと、共存することの必要性が再認識されだしたのです。

ここで、人間はどのような具合か見てみましょう。私達の体で微生物と共存している部分は大腸です。大腸で生きる微生物は、食物の残渣を分解・代謝し、自己の増殖をはかります。代謝産物のうち、ビタミン類などの良き物は私達の体を支えます。悪いものが生じれば、体を衰えさせます。腸内微生物集団のあり方が体に支える影響は、「便秘」の影響を観察するとわかります。便秘の結果、悪玉菌の活動が高まると、皮膚には「吹き出物」が出て、「つや」がなくなってきます。悪玉菌の代謝産物が全身にまわるからです。ここで腸をきれいにしてみると、皮膚の状態が良くなってくるのがわかります。また、何かの都合で抗生物質を長期間飲み、腸の微生物集団が衰えると腸が不調となります。良い微生物集団を育てることが体にとって必要なのです。土と同じと言えます。私達も微生物と共に生きているのです。

各ヨーグルトメーカーは、今やプロバイオテクスという新しいネーミングの下に色々な機能性をうたう商品を開発する戦略です。新しいタイプの乳酸菌の開発はその現われです。さて、日本には、堆肥と同様、古くからのプロバイオテクスがあります。納豆、なれずし、くさや、みそ、しょうゆなどの発酵食品です。(そう、お酒も忘れてはいけませんね。)「なれずし」は東南アジア各地にみられる、民族の知恵として、伝えられてきている食品です。プロバイオテクスといわなくても従来、私達の身の回りには存在しているのです。

私達は「くさい!」と言って遠ざけるのではなく、こうした食品に再注目して、腸内微生物集団の改善育成をはかる方針をとってはいかがと提案する次第です。昔の土と同じように生き生きとした腸を育てるためです。

詳しく知りたい方は、スタッフにお尋ねください。

りゅうえい健康通信ー食養生「腸内微生物叢」

「腸内微生物叢を忘れては肥満は解消できない」

 

ヒトの腸内には多数、多種の微生物が棲息し、ヒトの生理機能に影響を及ぼしているという。これらの微生物は腸内で互いに影響を及びしあい、腸内生態系を形成しているとのことで、このことから「腸内微生物叢」とよばれています。一方、ヒトが摂取する食物(の性状)は逆に腸内微生物叢に影響し、あるものは有勢にあるものは劣勢にと差を生じさせ腸内微生物叢の性状に変化をもたらすそうです。プロバイオティクスと称し、腸内に生きたままでとどくヨーグルト・乳酸菌がテレビで宣伝され売れ行き良好なもの、この乳酸菌の働きで腸内環境を変化させヒトに有利にしようとする考えが理解をえていることによるでしょう。ワシントン大学の研究者による次のような調査があるようです。

 

A:無菌マウス(体表面も腸内にも細菌がいないマウス)にヒトの糞便から得た微生物群を腸内に導入して定着させる(腸内に先に定着した微生物群がいると後から入ってきた微生物群は定着しにくい)。このマウスに

高脂肪・高砂糖食を与えたグループ―Ⅰ郡

低脂肪食を与えたグループ―Ⅱ郡

の2組グループをつくり経過を観察したところ、Ⅰ郡のみ腸内微生物叢の急速な変化と体脂肪の増加がおきてきた。

B:無菌マウスに高脂肪食を与える。このマウスは高脂肪食と共に腸内に入る微生物群によって高脂肪食という環境下に棲息する腸内微生物叢が形成される。このマウスの糞便からの微生物叢を別の無菌マウスの腸内に導入して定着させる。これに低脂肪食を与え経過観察。AのⅡ郡の場合にはおきなかった体脂肪の蓄積がおきてきたのです。

 

Aの群(低脂肪食グループ)とB群(低脂肪食)とのちがいは腸内微生物叢のちがいです。AのⅠ群(高脂肪食+高砂糖食)とB群の共通点は高脂肪食に適合するように変化した腸内微生物叢です。微生物叢は多量の脂肪を分解することができるようになっており、その脂肪分解産物が体脂肪蓄積にまわる。この性状は低脂肪食によって微生物叢が変るまで維持されるというわけです。ですから、今まで高脂肪・高砂糖食を好み肥満となった人がダイエットをしても腸内微生物叢が変るまではなかなかその効果はあらわれないということになりそうです。腸内微生物叢は人に影響を与え、人は食物をとおして腸内微生物叢に影響を与える。腸内微生物については善玉菌・悪玉菌という言葉がありました。今は忘れられてしまったようですが、私達は毎日輩出する糞便の色・臭を頼りとして、腸内微生物叢への配慮を忘れてはいけないようです。

 

※原著はScience Translational Medicine 2009;1;6ra14

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りゅうえい健康通信―食養生 「DHA」

「DHA(マグロの目玉)はどのように頭をよくするのだろう・・・」

一時、マグロの目玉が食材として話題をよびました。含有するところのDHAが頭のはたらきをよくするというのが理由でした。DHAはW-3系列の不飽和脂肪酸(注1)に分類される脂肪酸です。W-3系列不飽和脂肪酸を多く含むものはそのほかに青色の魚、亜麻仁油、くるみ、キーウィフルーツなどがあります。DHAが本当にいわれるような効果をあげるのか―オーストラリア、インドネシアでテストが行なわれています。

DHA88m+EPA22mgを1日量として6~12才の学童約4000人に6ヶ月と12ヶ月間服用してもらい、言語、学習、記憶に関する能力の変化を観察しました。一定の効果が認められました。同じようなテストはイギリスでも行なわれていて、同様の結果が観察されています。但し以上は、頭脳発達期の学童についてのものです。成人についての集団的なテストの報告はまだないようですが、W-3脂肪酸が不足している食事では集中力低下、失読症、認知症、うつ病、双極性障害、統合失調症になるリスクが増すとのことです。

DHAは脳神経細胞の相互接続(シナップス形成)によるネットワーク形成の促進、シナップス部位の膜流動性の増強などを通じて認識能力を高めるとともに、神経細胞内で発生する活性酵素の消去、ブドウ糖(エネルギー源)の利用率をあげ、ミトコンドリア(細胞内小器官―エネルギー生産担当)の働きを促進するなど代謝面にも寄与しているそうです。ヒトはDHAを体内で合成できないため、食から摂取する必要があります。ではDHAは脳内でどのように働くのでしょう…。

DHAは海馬(注3)(大脳辺縁系を構成する部位の一つ)における脳由来神経細胞栄養因子(BDNF)のレベルを上昇させると報告されています。BDNFは海馬と視床下部(これも大脳辺縁系を構成する部位)に最も多くあるといわれています。海馬は記憶、視床下部は代謝に関与します。一つの課題をこなすと海馬でのBDNFによるシナップス形成が増す、BDNFに関する遺伝子を除去すると記憶形成が障害される、BDNF遺伝子に関連する異常がヒトにもあり記憶形成の異常がある、などの報告があります。これらはBDNFが海馬の記憶形成にとって重要なものであることを示しています。

視床下部には視床下部メラノコルチン4受容体という受容体があります。エネルギーバランスをとる上で必須のものであると同時に、視床下部におけるBDNFの発現もコントロールしています。従って視床下部はエネルギー代謝とシナップス形成の両方に関与していることになります。BDNFにも受容体(TrkB)があります。ヒトでのTrkBの遺伝的変異は多食性肥満と同時に学習及び記憶の障害をあらわすと報告されています。DHAが属するW-3不飽和脂肪酸に対して、飽和脂肪酸及びトランス型(注3)脂肪酸は摂取量が多いとW-3脂肪酸とは逆の作用を認知能力に及ぼすとのことです。

齧歯類にいわゆる「ジャンク・フード」(特徴―飽和脂肪酸と砂糖の高含量)を3週間与えたところ認知能力の低下と海馬のBDNF関与のシナップス形成の減少が認められたそうです。これは食餌によりインスリン抵抗値が増したとか、肥満とかによるものではなく、食餌の神経細胞への直接作用であると理解されています。DHA或はジャンク・フードはBDNFに影響を与えていました。BDNFの変動により海馬、視床下部の機能は増減していました。この増減は単に海馬、視床下部に限局するわけではなく連絡する神経線維により、大脳辺縁系全体にひろがり更にこの系の外に拡大していきます。

海馬、視床下部のBDNFに影響を与えるものは脂肪酸類だけではありません。消化管機能をコントロールする迷走神経、消化に関係する臓器の分泌するホルモン、摂取カロリー過大過少なども同様に影響することが報告されています。こうしてみると健脳食というものの実体はある、それは食材と食事の仕方(特に楽しく食する)とからなるということになるのでしょうか…。

注1) 図1

 

 

 

 

 

図1は脂肪酸の構造です。炭素原子(c)が鎖状に結合、CとCの間の結合手が1本だけの結合からなるものが飽和脂肪酸、上図の場合のように結合手が2本である結合を含むものが不飽和脂肪酸

注2)   -C=C-部分に結合する水素原子(H)の配置には図2のように2通りあります。

各々

H H               H

-C=C- :シス型         -C=C- :トランス型

H

マーガリン:トランス型脂肪酸を含む、トランス型脂肪酸は天然脂質に水素を添加して脂肪酸をつくる時に生じる。ヒトはこれを代謝できない。

W-:図1のように、メチル基(-CH3)のCを1番として順次Cに番号をつける、C9とC10の間に二重結合があればW9族を系列化される。W-3はC3、C4間に二重結合。

 

図2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注2) 図3大脳辺縁系(太線内)

 

 

 

 

 

 

 

図:下記書籍より一部加筆等変更 ハーパー・生化学  丸善株式会社 解剖学アトラス  文光堂

 

文献:NATURE REVIEWS NEUROSCIENCE 568 JULY 2008 VOLUME9

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りゅうえい健康通信―食養生 「赤いトマト、黄色いトマト」

「黄色いトマトと赤いトマト-黄色のトマトができました。」

品種改良によって、黄色いトマトができたそうです。通常、私達がみるトマトは赤です。トマトはリコピンで有名です。黄色のトマトにもリコピンが含まれていますが、このリコピンにちがいがあるため、色のちがいが生じているそうです。リコピンはΒ―カロテンの仲間で、このリコピンという名称もいくつかの類似構造をもつものの総称です。

(1)はΒ―カロテンの構造です。炭素原子が連なる鎖ですが、一つおきに二重結合があり、両端に同じ形のアクセサリー(構造物)がつきます。この両端のアクセサリーがなくなったものがリコピンですが、リコピンには(2),(3),(4),その他などのものがあります。大きくわけて一直線上のものと、途中で折れまがるものとになります。

 

(2)について、右から数えて5番目と6番目の炭素原子(C5,C6)に注目してみます。拡大するとC5,C6の間は二重結合で、C5に結合するC4,C6に結合すC7との間の結合手は、二重結合をはさんで互に反対側です。この結合をトランス型結合といいます。ので、(2)はトランス-リコピンと名がついています。

 

次に(3)ではC5,C6に結合するC4,C7夫々の結合手は二重結合をはさむことはなく、同じ側に位置します。これがシス型結合で、この構造を1つでももつのがシス・リコピンです。(4)では1ケ以上シス構造があります(わかりにくいかもしれませんが4ケあります)。

 

通常の赤いトマトに含まれるリコピンは90%以上がトランス型リコピンだそうです。一方黄色いトマトでは90%以上がシス型リコピンとのことです。このことが、赤であるのか、黄色であるのかをきめているのだそうです。生体利用効率という言葉があります。あるものを食した時、その生体により吸収され活用される効率のことです。いくら食材に含まれる量が多くとも体を「す通り」したのでは利用効率は「ゼロ」です。では今、私達が赤と黄色のトマト夫々を食したとします。生体利用効率にちがいがあるのでしょうか。赤より黄の方が利用効率は2倍以上高いそうです。シス型の方がトランス型よりも、生体利用効率はよいのです。

 

リコピンやΒ-カロテンはカロテノイドと総称されますが、カロテノイドは一般に、その吸収利用効率は調理法,―加熱とか油類を用いるかどうか或は、摂取法-油類と一緒にとるのかどうか、などの影響をうけるそうです。特に一不飽和脂肪酸を含む油(代表としてオリーブ油)と一緒にとると吸収がよくなるそうです。なおヒトの血液或組織中のリコピンは少なくとも50%がシス型だそうです。以上はU.S.Aオハイオ州立大学からの報告です。

 

文献:Journal of Agrioultural and Food Chemistry 2007;5S:1597-1603

構造図は上記文献より引用一部改変

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りゅうえい健康通信―食養生 「ビタミンEとCとフリーラジカル」

フリーラジカルはとても酸化力が強く、私達の身体に傷害を与え、色々な病気を引き起こします。「ビタミンEとCはこのフリーラジカルの働きを消去する。」とは従来からよくいわれていることです。

今回はこのビタミンEを利用する力が、年令がすすむとともに(加齢)低下するというお話です。

まず”ビタミンEはフリーラジカルの働きをどのようにブロックするか”です。私達の身体の細胞は一番外側に細胞膜という膜をもちます。この膜の重要な成分として脂質があります。脂質がないと膜が成り立たないのです。さて、この膜の脂質はフリーラジカルにより酸化されやすく、酸化されると脂質ペルオキシラジカルとなります。この酸化脂質はすぐに別の脂質を酸化し、この反応が次々と起きていきます。(膜はこの脂質が二層に並んで出来上がっているので、連続して反応が起きてしまいます。(連鎖反応))

この時、膜にビタミンEがあると、ビタミンEは脂質ペルオキシラジカルと反応してビタミンEラジカルとなり、脂質ペルオキシラジカルはラジカルでなくなります。次の酸化は起こらず連鎖反応はストップとなります。ビタミンEラジカルはビタミンCが存在すれば、ビタミンCと反応し自分はラジカル状態から脱出し、再び抗酸化脂質との反応にまわっていきます。ビタミンCはビタミンCラジカルとなり代謝をうけ体外に排出されます。ビタミンEはビタミンCとの共存下で抗酸化能力を発揮するのです。以上から”ビタミンEとCは一緒に摂取しよう”ということになります。

次に”細胞膜のビタミンE活用能力は加齢により低下するか”という点です。生体内では、ビタミンEの90%以上がα-トコフェロールという形のもので、生体内で最も抗酸化力が強いといわれているものです。α-トコフェロールは血液中から細胞膜内に取り込まれ、抗酸化力を発揮すべく利用されます。赤血球膜を使って調べたところによると、高齢になると①赤血球膜内のα-トコフェロールの利用率は増すが、②膜へのα-トコフェロールの取り込み率は減少する。利用率の増加はあるものの取り込み率の減少をカバーすることはできず、膜の酸化脂質の量は増し、膜の柔軟性は低下するのだそうです。

ついでながら、糖尿病や高脂血症ではα-トコフェロールの取り込み率、利用率などは低下しているそうで、高齢でこの病気がある場合は加齢による低下と病気による低下とが重なり合う事になります。α―トコフェロールの取り込み率を上げる手段があれば、ありがたいのですが。(今の所はないそうです。)

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りゅうえい健康通信―食養生 「ターメリック」

「ターメリック(ウコンの粉)と関節炎-アメリカからの報告」

カレー粉の色はターメリックの色です。ターメリックはウコンの根(地下茎)を乾燥し粉にしたものです。このもの以前より関節炎に用いられていたらしく、アメリカではターメリックの入った栄養補助食品もあるとか。

 

消炎鎮痛剤について健康に影響があるとの警告がアメリカ食品医薬品局(FDA)より出されてから、代替医療が盛んになり、ターメリックを含有する栄養補助食品も伸びているらしいのです(アメリカでも関節炎の患者さんは多いらしい)では、ターメリックが効果を上げる機序はというと、調査結果は次の通りです。

 

NF-KB(エヌエフ-カッパービー)というタンパク質があります。これは炎症を起こす物質を出現させる遺伝子の働きを制御しているのだそうです。ターメリックはNF-KBの働きを抑えるのです。このため炎症を起こすことに関与する遺伝子の働きが変わる。この結果炎症が沈静化するというわけです。

 

ターメリックはまた、関節炎のおきた場所での破骨細胞の増加も防ぐそうです。破骨細胞は骨の新陳代謝にとって必要なもので、古い骨を壊し新しいものに変わっていく時に活動しますが、破骨細胞だけが一方的に増えてしまうと骨の破壊につながってしまいます。以上の如くですがマウスでの研究では関節炎の初期段階のほうが危機がよいとのこと。

 

慢性の関節炎の場合はどの程度効果が上がるのかちょっと気になります。ターメリックはNF-KBだけでなくほかの炎症経路も標的になる可能性があるとのことですが、実際にどの種類の関節炎に有効なのかはいまだ明確になっていません。

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りゅうえい健康通信―食養生 「有色野菜」

「活性酸素の害を防ぐ赤、黄、緑の野菜―有色野菜の質は変わりつつある」

紫外線にさらされて働く農業・漁業の人々の中に皮膚の衰えの早い人が多いと言われています。紫外線によって活性酸素という非常に酸化力の強い酸素が作られ、これが皮膚の細胞を傷付ける為と説明されています。ここから「活性酸素にさらされると老化が早い」と言われだしたのでしょうか。

「活性酸素は生き物の寿命を縮めるか」ということを線虫で調べた結果が発表されました。線虫は土の中に住む1mm位の生き物です。この線虫の遺伝情報は解読が終わっていて、その成果は遺伝の研究に利用されています。

線虫に突然変異(=突然にその遺伝情報に変化が起きること)をおこし、活性酸素の働きを受けやすいものと受けにくいものを作り、活性酸素と寿命の関係を調べたのでした。活性酸素の働きを受けやすいものは短命、受けにくいものは長命であったというのがその結果です。このことは活性酸素の働きを受けにくい(或いは受けやすい)遺伝情報があることを示します。線虫という固体レベルで、活性酸素が寿命に影響することを証明したわけです。ヒトにもこのような、遺伝情報がある可能性は十分だそうです。

さて、遺伝的に活性酸素に強いか弱いかは別に、活性酸素の働きを防ぐ物質を蓄えている生き物がいます。植物です。植物の葉には葉緑体があり“水―炭酸ガスー太陽の光”から炭水化物(デンプン)を作ります。太陽の紫外線を浴びているのになぜ傷付けられないのでしょうか。葉に含まれるビタミンEが防御の働きをするからです。紫外線で活性酸素が発生すると直ちにビタミンEがこれを消去するというわけです。ビタミンEは油脂類の酸化防止にも用いられています。ヒトで大量のビタミンEの服用による心臓の血管系の病気予防に効果があったとの報告があります。ビタミンEの酸化を防ぐ働きによるものと推定されています。

活性酸素の害を防ぐものは、ビタミンE、ビタミンCの他にリコピン(トマト)、カロチン類(ニンジン、ハプリカ)などいろいろなものがわかってきました。赤、黄、緑と色のある野菜はこうしたものを含む代表的なものです。こうした野菜(=植物)は自己の生命活動を維持する為、活性酸素消去物質を作り出したのでした。ヒトはそれを食して今度は自分の為の活性酸素消去物質として活用してきたのです。

野菜には「旬」があります。旬は野菜と季節(或いはもっと広く環境)とが最もうまく組み合わさった時に成り立ちます。現今、野菜に旬がなくなりました。“最も美味なる時”がないのです。ハウスもの、低温貯蔵もの、遺伝子組替えものなどの技術改新により、新しいタイプ(?)の野菜が生まれています。生物の世界は“食物連鎖の世界”です。一つの生き物の変化は、これを食するものの変化をもたらします。

私達は“新しいタイプ”の野菜を食し始めています。活性酸素の害を防ぐという現点から、このことはどんな結果を生じてくるのでしょうか。

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りゅうえい健康通信―食養生 「葉酸」

「葉酸」

米国では脳卒中や、心臓の血管系の病気が多いことはよく知られています。食習慣が大いに関係しています。最近、葉酸を多く含む食物が脳や心臓の血管障害リスクを下げるという調査報告が米国からありました。

米国では従来より1日当り400μg(マイクログラム)の葉酸をとることが推奨されていますが、調査結果では次のことが述べられています。「1日当り300μg以上の葉酸をとる人は136μg未満の人に比べて、脳卒中で20%、心臓血管の病気で13%、これらの病気にかかる危険度が低い。」

葉酸は柑橘類、穀物、インゲン、トマト、ホウレン草、レタス等緑黄野菜に含まれています。葉酸はホモシスティンというアミノ酸の代謝をおしすすめます。ホモシスティンは動脈硬化を起こす危険因子です。従って、葉酸はホモシスティンの代謝をよくすることで血管に良い影響を与えるのです。

さて、この調査は20年かけて行われました。テーマは「食事中の葉酸摂取量と脳・心臓血管系疾患との関係」となります。27~74才の米国男女約9,800名、調査開始時で脳・心臓血管系の病気のない人が対照です。調査する項目には、糖尿病歴、収縮期血圧、コレステロール値(血中)、BMI(ボディー・マス・インデックス=肥満度)、娯楽目的の身体活動度、教育の程度、喫煙等も上がっています。こうした多数の調査項目の中から、脳・心臓血管疾患は葉酸の摂取量が増すほど、その発症の危険度が低くなるという関係がでてきたのです。

この調査からは葉酸の適当な摂取量は明示されていませんが、300~400μgの葉酸(1日当り)をとるようにとのコメントがありました。尚、米国心臓協会の1日当りの葉酸摂取量は、成人400μg、妊婦600μgです。

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りゅうえい健康通信―食養生 「菜食は細胞の寿命をのばす」

顔を鏡に映して見る――皮膚がたるみ全体にしまりがなくなっている。老化したとわかる。が、「生きものが老化した」とわかる最も本質的な現象はというと、それは生殖能力の消失であるようです。「腎陽・腎陰の虚」という表現によって生殖能力の衰え及びこれに関連する現象をとらえる医学体系もあります。ヒトは無数の細胞から構成される多細胞生物ですから個全体が老化する時はこれを構成する細胞も老化していないわけはなかろうと推察できます。細胞は細胞分裂という現象をくりかえして増殖し次世代の細胞を生んでいきます。この細胞分裂は何回(=何世代)かくりかえされるとそれから先は分裂しなくなります。この細胞分裂をおこさなくなることを「細胞の老化」としています。

 

細胞分裂は何故おこらなくなるのか。細胞には核という遺伝情報(DNA)が集合している構造物があります。細胞が分裂する時期に入ってくると、核は形を変え複数の棒状の染色体という構造物になります。この染色体がついに2つに分裂し、2つの次世代の染色体となり核を形成し、次世代の細胞に分かれます。この棒状の染色体の先端には特別の配列をとるDNAがあり、テロメアと名づけられています。テロメアは細胞分裂がおこる度毎に少しずつ短くなり、この短縮分の修復がおこれば細胞分裂は続くのですが修復がおこらないと、あるところまでで細胞の分裂はおこらなくなります。テロメアの長さの短縮分をもとの長さにもどす働きをする酵素(テロメアーゼ)がありますが、この酵素は幹細胞、生殖細胞、免疫系の細胞、ガン細胞などでは活性が高いのですが私達の身体を構成する大部分の細胞ではその活性がないのです。―――従って時間の経過とともに、老化した顔が生じてくることになるのです。

 

体内でおこる酸化や炎症はテロメア長の短縮を促進したり、テロメアーゼの活動を抑制しますので、この状況をおこす肥満、インスリン抵抗性、メタボリック・シンドローム、慢性的な情緒上のストレスはテロメア長短縮の促進につながります。メタボリック・シンドローム(肥満、インスリン抵抗性が含まれる)、情緒ストレスをもたらす主な原因は私達の生活スタイルにあります。赤身の肉、加工肉、甘味のおかし類、フレンチフライ、精製穀粒などの食材或は食品、運動不足、慢性的な精神心理的ストレス―――これらは現今の私達の生活スタイルです。となると、この逆の生活スタイルが必要ということです。―――野菜食、全粒穀物、マメ類、魚、脂肪は全カロリーの10%、魚油(3g/1日)、ビタミンE(100国際単位/1日)、ビタミンC(2g/1日)、食物繊維、亜鉛、葉酸、セレニウム(200マイクログラム/1日)

 

筋肉を動かす運動(エアロビック運動);1日30分歩行週に6日

 

ヨガ、瞑想、呼吸法、ストレッチ、リラクゼイション;1日60分週に6日

 

これはなかなかに持続しにくい。ですが、これをみると従来いくつかの疫学調査で報告されてきた、病気にかかりにくくし天寿をまっとうする生活スタイルと一致するものです。健康で寿命をのばすと指摘されていた生活スタイルは細胞レベルでも同様に寿命をのばしていたのです。

 

文献

 

LANCET ONCOJOGY  Vol.9,November 2008,1048‐1057

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りゅうえい健康通信―食養生 「ドライアイとω-3リノレン酸」

「ドライアイとω-3リノレン酸」

ドライアイ(目の乾燥)で悩まされる人はけっこう多いのです。対応策はヒアルロン酸という物質の入った点眼液などですが有効というわけにはいきません。冬の乾燥期、夏でも空調のきいた室内などでは困ります。

 

これを防ぐ方法について米国での調査がありました。マグロを週に5回以上食する人と週1回の人の比較で、週5回以上のグループの方がドライアイになる危険性(あるいは可能性)が68%少ないという報告です。では、マグロの何がこうした結果をもたらせたのでしょう。

 

油脂類の中に脂肪酸と名づけられている類のものがあります。構造は炭素(原子)が隣同志一列に並んだ構造(骨格)を持ちます。炭素の数は、16個とか18個とか20、22個などです。炭素間は結合手で結ばれていて、おおかたは一本ですが、手が二本のこともあります。一本は一重結合、二本は二重結合といい、二重結合の場合、ここには水素(原子)が入れる余地があるため不飽和の結合とよんでいます。(これに対して一本は飽和結合といいます)。

 

この不飽和のものには当然、両端があります。夫々の端には一端にカルボキシル基、他端にメチル基と名づけられている構造物が結合しています。ここで、メチル基も(カルボキシル基も)一ケの炭素をもっていますので、メチル基の炭素を1番として順次並んでいる炭素に番号をつけることができます。

 

このメチル基の炭素はω(オメガ)炭素という名がつけられています。時々、油の製品ラベルにω-6とかω-3とかという文字をみることがあります。これは、ω炭素から数えて6番目の炭素と7番目の炭素の間が二重結合であるという意味です。同様にω-3はω炭素から3番目と4番目の炭素間が二重結合ということになります。 さて、米国人はω-6(系列)の油をω-3(系列)の油の15倍摂取しているそうで、その結果、ドライアイのリスクが2.5倍上がるのだそうです。となるとω-3の油を多くとれば、ドライアイが防げるということになり、ω-3はマグロとかクルミなどに多く、サラダ油や動物の油には少ないそうで、これが、上述のマグロを多く食する人にドライアイが少ないという結果をよんでいるという結論に至るのです。

 

ところで、ひところ、エゴマの油がやせるということでブームになりました。紫蘇の油もそうですが、この油50%ほどがω-3リノレン酸で占められています。役に立つと予想しています。

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